リミックス
『大辞典』のリミックス|中田ヤスタカ・ハヤシベトモノリ・鈴木アキラ
PSP 版の大辞典には、おなじみの曲を「別の人の手で作り直した」特別な3曲が入っています。
なつかしさ ★★★★☆
この記事の要点
できたことば ×5- PSP 版『もじぴったん大辞典』は全25曲で、そのうち5曲が既存曲のリミックスである
- 中田ヤスタカは「ふたりのもじぴったん」(fine c'est la mix)を手がけた
- ハヤシベトモノリは「わーずわーずの魔法」(easter egg mix)、鈴木アキラ(AKIRA SUZUKI)は「Piacevole!」(PEPPERMINT mix)を手がけた
- リミックスの依頼は神前暁本人の人選で、本人はポスト渋谷系の走りだったかもしれないと語っている
- 物理 CD は2006年3月15日発売(品番 PCCR-90020)で、2025年の配信版と曲順が一致する
知っている曲が、知らない顔で戻ってきた
PSP の大辞典を遊んで、オプションからBGMを聴いたとき。「ふたりのもじぴったん」なのに、なんだかおしゃれになっている。あの曲が、別の誰かの手で作り直されていた。そんな体験をした人もいるはずです。
いつもの曲が、ちょっと背伸びして出てきた感じだね。
大辞典のリミックスは、3人のクリエイターが一曲ずつ受け持ちました。誰がどの曲を手がけたのか、なぜこの顔ぶれになったのかを見ていきます。
3人と3曲の対応表
GAME Watch の記事が伝えるところでは、PSP 版『もじぴったん大辞典』は全25曲で、そのうち5曲が既存曲のリミックスです。ここでは、担当が明らかになっている3曲を紹介します。
| リミキサー | 曲 | ミックス名 |
|---|---|---|
| 中田ヤスタカ | ふたりのもじぴったん | fine c'est la mix |
| ハヤシベトモノリ | わーずわーずの魔法 | easter egg mix |
| 鈴木アキラ(AKIRA SUZUKI) | Piacevole! | PEPPERMINT mix |
残る2曲のリミックスについては、担当者がはっきり伝わっていません。サントラで確かに言えるのは、上の3曲が12〜14曲目に並んでいる、という点です。
鈴木アキラさんの表記は、媒体によって「鈴木アキラ」と「AKIRA SUZUKI」に分かれます。どちらも同じ人物を指しています。
それぞれの顔ぶれ
当時の GAME Watch は、3人を次のように紹介していました。
| 人物 | 当時の紹介 |
|---|---|
| 中田ヤスタカ | contemode を主宰し、ユニット capsule を中心に活動。アートディレクター、デザイナーとしても活動 |
| ハヤシベトモノリ | 1997年に Plus-Tech Squeeze Box を結成。1st アルバム『FAKEVOX』(2000年)、2nd アルバム『カートゥーム』(2004年6月) |
| 鈴木アキラ | 2001年に LD&K からインディーズデビュー。Sonic Coaster Pop として活動し、2002年にレーベル「ウサギチャンレコーズ」を設立 |
2004年当時の肩書きなので、いまの活動とは違う部分があります。中田ヤスタカさんがのちに大きく活躍したことはご存じの方も多いでしょう。ただ、このページで扱うのは、あくまで大辞典が発売された時期の顔ぶれです。
依頼したのは神前暁本人
このリミックスの人選は、作曲者の神前暁さんによるものです。2020年のインタビューで、PSP 版の時期に中田ヤスタカさん、ハヤシベトモノリさん(Plus-Tech Squeeze Box)、鈴木アキラさん(Sonic Coaster Pop)に依頼したと語っています。
神前さんは、その人選について、ポスト渋谷系の走りだったかもしれないと振り返っています。もじぴったんの音楽は、本人が渋谷系を好きな気持ちが出ていると語っていた作品です。その延長線上で、同じ空気を持つクリエイターに声をかけた、と読むことができます。詳しくは 音楽の特徴 のページにまとめています。
聴きたいときはここ
3つのリミックスは、サントラで続けて聴けます。
| 曲順 | 曲名 | 歌唱の表記 | 時間 |
|---|---|---|---|
| 12 | ふたりのもじぴったん (fine c'est la mix) | 古原奈々 | 3分05秒 |
| 13 | わーずわーずの魔法 (easter egg mix) | 神前暁 | 2分00秒 |
| 14 | Piacevole! (PEPPERMINT mix) | 神前暁 | 2分09秒 |
物理 CD は2006年3月15日に発売されました(品番 PCCR-90020、ポニーキャニオン、2,750円)。曲順と曲名は2025年12月3日の配信版と一致しています。CD はすでに廃盤とされています。
MONACA Wiki のクレジットによれば、fine c'est la mix は編曲が中田ヤスタカ、ミックスが岡村友篤と村上正信です。このミックスは、2008年の Wii デラックスでも「ふたりのもじぴったん」として使われました。元の曲との違いは ふたりのもじぴったん のページとあわせて聴くと、よく分かります。
聴き比べの楽しみ方
同じ曲を、元の版とリミックスで続けて聴く。それだけで、曲の骨格がどこにあるのかが見えてきます。
たとえば「わーずわーずの魔法」は、元の版ではファミコン風の電子音からロックへ転じる落差が持ち味でした。リミックスの easter egg mix では、あの落差がどう扱われているでしょうか。元の落差が好きだった人は、どこが変わり、どこが残っているかを探すのが面白いところです。
「Piacevole!」も同じです。元はロボットのような声と子守歌のやさしさが同居していました。PEPPERMINT mix という名前からして、少し清涼感のある味付けを想像する人もいるでしょう。実際にどうなっているかは、ぜひ耳で確かめてください。
遊んでいた頃のことを思い出しながら聴くなら、PSP 版の年表 もあわせて読んでみてください。
よくある質問
もじぴったん大辞典のリミックスは誰が担当しましたか?
中田ヤスタカが「ふたりのもじぴったん」、ハヤシベトモノリが「わーずわーずの魔法」、鈴木アキラ(AKIRA SUZUKI)が「Piacevole!」を担当しました。リミックスは全部で5曲ありますが、残る2曲の担当者は広く伝わっていません。
fine c'est la mix とは何ですか?
中田ヤスタカによる「ふたりのもじぴったん」のリミックスです。歌は古原奈々で、Wii デラックス(2008年)でも「ふたりのもじぴったん」にこのミックスが使われています。
リミックスを依頼したのは誰ですか?
作曲者の神前暁です。2020年のインタビューで、中田ヤスタカ、ハヤシベトモノリ、鈴木アキラにリミックスを依頼したと語っています。
リミックスはどこで聴けますか?
2025年12月3日に配信された『もじぴったん大辞典 オリジナルサウンドトラック』の12〜14曲目です。2006年発売の CD にも同じ曲順で入っています。