3F思い出と文化電気街の記憶

秋葉原といえばこの店|電気街とサトームセン

駅を降りると、あちこちの店先から違う歌が聞こえてくる。そんな電気街の風景に、サトームセンのCMソングも混ざっていました。

なつかしさ ★★★★☆

このページの要点

  • サトームセンは秋葉原に本店を置き、東京・神奈川・千葉・埼玉などの郊外にも店を構えた家電量販店だった。
  • 郊外店でも「秋葉原」を強く打ち出すキャッチコピーが多く使われたとされる。
  • 秋葉原では、石丸電気など他店のCMソングと店頭で混ざって聞こえたという回想がある。
  • 秋葉原の駅前1号店は2007年11月11日に閉鎖され、同年12月までに全店舗がヤマダ電機に転換された。

関連する動画

ファンが投稿した動画で、公式のものではありません。投稿者の都合で見られなくなることがあります。

【あなたの近所の秋葉原】サトームセンCMソング(投稿:山田さん)YouTubeで見る

駅を降りた瞬間に聞こえた歌の洪水

秋葉原の電気街は、音の街でもありました。店先のスピーカーからは、それぞれの店のテーマソングが流れる。隣の店の歌が終わらないうちに、次の店の歌が始まる。サトームセンのCMソングも、そのなかの一曲でした。

当時の秋葉原を歩いた人の回想には、石丸電気の歌とサトームセンのCMソングが混ざって聞こえ、独特の雰囲気を作っていた、というものがあります。何曲も重なって、どれがどの店の歌かわからなくなる。それも含めて、電気街の思い出です。

読者A

改札を出たら、もう頭の中でどこかの店の歌が鳴ってたんだよね

この記事では、秋葉原の電気街のなかで、サトームセンがどんな位置にいたのかを振り返ります。店舗の詳しい一覧はサトームセンの店舗、会社の歩みはサトームセンの歴史にもまとめています。

本店は秋葉原、でも店は郊外にも

サトームセンの本拠地は秋葉原でした。営業当時の本社は東京都千代田区外神田にあり、駅前の1号店などが知られています。最盛期には秋葉原に8店舗を構えた、という記述もありますが、数え方は資料によって異なります。

一方で、秋葉原だけの店ではありませんでした。神奈川・千葉・埼玉などの関東圏に、郊外店を展開していたのです。ニコニコ大百科は茨城も挙げています。郊外店は、駐車場のある大型の独立店舗が多かったとも言われています。

場所 特徴
秋葉原 本店・駅前1号店など。電気街の中心
東京・神奈川・千葉・埼玉 大型の郊外店。駐車場付きが多かったとされる

ビルの外観や店内のレイアウトなど、細かな記憶は人それぞれです。「あの駅前の店」「国道沿いの大きな店」と、住んでいた場所によって思い浮かべる店がまったく違うのも、チェーン店ならではの面白さでしょう。

郊外の店でも「秋葉原」と言い続けた

サトームセンのCMを語るとき、外せないのが「秋葉原」という言葉です。曲の最後には地名と店名を結びつける呼びかけがあり、ファンが投稿した動画のタイトルにも「あなたの近所の秋葉原」という言葉が使われています。

資料によれば、郊外店でも「秋葉原の大型電器店」「秋葉原のサトームセン」といった、秋葉原を前面に出すキャッチコピーが多く使われたそうです。ほかに、店の標語として「確かな物を、確かな店で」も知られています。ただし、これらがCMのなかで言われたかどうかは、それぞれ分かれます。

じゃがお風

うちは秋葉原の店なんだ。近所かどうかは、聞かないでおくれよ

あるnoteの記事の筆者は、この「秋葉原は近所」という趣旨のフレーズに、実際は近所ではないので毎回つっこんでしまう、と書いていました。ツッコミを入れつつも、つい覚えてしまう。その距離感が、このCMの愛され方をよく表しているように思います。

石丸電気、オノデン、そして他の電気街のCMたち

秋葉原の思い出は、サトームセンだけでは語りきれません。CMソングの思い出を書いた個人の文章には、サトームセンと並んで、石丸電気やオノデンの歌が登場します。ヨドバシカメラやビックカメラのCMソングと一緒に思い出す人もいます。

面白いのは、その語られ方の違いです。ある書き手は、ヨドバシやビックのCMソングは鉄道の路線や百貨店の位置関係を教えてくれたのに対し、サトームセンは懐かしさとおかしさが中心だった、と比べています。

ニコニコ大百科も、他の家電量販店が安さやセールを強調していたのに対し、サトームセンは独特の曲とダンスだけだったと説明しています。この見方は百科事典の編集者による説明のため、そう感じなかった人もいるはずです。

でも、「あの店といえばあの歌」と、店名より先に歌が出てくる。そんな人が多いのは確かなようです。

店がなくなった日のこと

その秋葉原の店は、2000年代に入って急速に姿を変えます。資料には、2003年1月から2004年3月にかけて、秋葉原の店舗を含む20店が閉鎖されたとあります。

  • 不採算店舗の閉鎖が進む
  • ヤマダ電機グループ入り
  • 秋葉原駅前の1号店が閉鎖
  • 全店舗がヤマダ電機に転換

2007年11月11日には、秋葉原駅前の1号店が閉鎖され、ヤマダ電機に転換されました。その翌月、屋号を掲げた店舗はすべてなくなったと説明されています。経緯の詳しい整理は閉店までの経緯にあります。

後年、旧1号店のビルが改修されるとき、工事の仮囲いに「サトームセン1号店」の名前が出て話題になった、という書き込みもありました。建物の名称が登録上そのままだったためだ、と説明されています。ただし、これは掲示板由来の話です。

消えた店を思い出すということ

あるブログには、石丸電気はほかの会社と統合され、サトームセンはヤマダ電機に吸収され、残っているのはオノデンだけだ、と寂しがる文章がありました。noteには、サトームセンについて「今はもう存在しない」と淡々と書かれています。

ニコニコ大百科に紹介されている掲示板では、閉店を後から知って「もう無くなってたんだなぁ」と懐かしむ声もあるそうです。いつも通りすぎていた店が、気づけばなくなっている。電気街の記憶には、そんな感覚がつきものなのでしょう。

今のサトームセンを訪ねることはできません。それでも、あの歌を聞けば、秋葉原の雑踏と店先のスピーカーの音を思い出せる。店はなくなっても、音の記憶は、案外しぶとく残るものです。

よくある質問

サトームセンは秋葉原のどこにあった?

営業当時の本社は東京都千代田区外神田(秋葉原)で、秋葉原駅前の1号店などが知られていました。個別の店舗の細かな一覧は、資料によって扱いが異なります。

なぜ郊外の店でも「秋葉原」を名乗っていたの?

郊外店でも「秋葉原の大型電器店」「秋葉原のサトームセン」といった表現が多く使われたと説明されています。電気街のイメージを持ち込む狙いがあったとみられますが、公式の説明は残っていません。

サトームセンの秋葉原の店はいつなくなった?

秋葉原駅前の1号店が2007年11月11日に閉鎖され、2007年12月22日に全店舗のヤマダ電機への転換が完了したとされています。

参考にした情報