つくった人
神前暁|もじぴったんの作曲者の経歴と代表曲
「ふたりのもじぴったん」の旋律を作った人は、その後、世の中に広く知られる作曲家になりました。
なつかしさ ★★★★☆
この記事の要点
できたことば ×5- 神前暁(こうさき さとる)は1974年大阪府豊中市生まれの作曲家・編曲家・音楽プロデューサーである
- 大学卒業後にナムコへ入社し、『鉄拳』『太鼓の達人』シリーズなどに関わり、もじぴったんの音楽を担当した
- 2005年に同僚だった岡部啓一が設立した MONACA へ移籍し、のちにアニメやアイドル作品の音楽で活躍した
- 本人は、もじぴったんを一人でタイトルの立ち上げから担当した最初の作品と語っている
- 「ふたりのもじぴったん」「じゅもんをあげるよ」などを作曲・編曲し、PSP 版のリミックスの人選も行った
あの旋律の作り手を知っていますか
「ふたりのもじぴったん」を聴くと、いまでも画面の前の自分に戻れる。そんな人にとって、作曲者の名前は意外と盲点です。ゲームの曲を作った人の名前を、遊んでいた頃は知らなかった、という人も多いでしょう。
ぼくの曲を作ってくれた人の話、ちゃんと聞いておこうよ。
もじぴったんの音楽を手がけたのは、神前暁(こうさき さとる)さんです。ここでは、その経歴と、もじぴったんとのかかわりをたどります。なお、名前の読みについては、海外の記事で別の読みが紹介されることがありますが、正しくは「こうさき さとる」です。
神前暁さんのプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年 | 1974年9月16日 |
| 出身 | 大阪府豊中市 |
| 学歴 | 京都大学工学部情報工学科 |
| 肩書き | 作曲家・編曲家・音楽プロデューサー |
| 学生時代 | 作曲サークル「吉田音楽製作所」に所属 |
| 所属 | MONACA(2005年から) |
幼い頃からピアノを弾き、学校ではトランペットを吹いていたそうです。京都大学では作曲サークルに所属し、卒業後にナムコへサウンドクリエイターとして入社しました。
ナムコ時代の仕事
ナムコでは、『鉄拳』シリーズや『ことばのパズル もじぴったん』を担当しました。『太鼓の達人』シリーズにも関わり、同人ユニット nanosounds に一時所属していたことも知られています。
その時期を、本人は JASRAC のインタビューで「しっかりと土台を築いていった時期でしたね」と振り返っています。ナムコ在籍中に、京都アニメーションのOVA『MUNTO』の楽曲制作を手伝ったことがあるとも語っています。
ナムコ時代のもじぴったん関連の曲は、次のように整理できます。
| 曲 | 神前暁の関わり |
|---|---|
| ふたりのもじぴったん | 作曲・編曲(作詞は後藤裕之、歌は古原奈々) |
| じゅもんをあげるよ | 作曲・編曲(作詞は後藤裕之、歌は古原奈々) |
| わーずわーずの魔法 / Piacevole! | 2025年のサントラで神前暁名義の曲として表記 |
| estrellita / [ai] / ふたりのぜのぴったん | ゼノサーガ版の曲を作曲 |
| on and on | 大辞典収録の短い曲を作曲 |
各曲の詳しい話は、ふたりのもじぴったん や ぜのぴったん のページで読めます。
本人が語るもじぴったん
2020年の Real Sound のインタビューで、神前さんは、20年のキャリアを振り返る中で、もじぴったんを一人でタイトルの立ち上げから担当した最初の作品と位置づけました。音楽の方向性については「渋谷系が好きみたいなところは確実に出てる」と話しています。
ナムコ時代については、どちらかというと最初は劇伴がメイン、ゲーム会社だから基本は BGM を作っていた、とも述べています。歌ものと劇伴の両方が、自分にとって両輪のような感覚だった、という話です。
PSP 版では、中田ヤスタカさん、ハヤシベトモノリさん、鈴木アキラさんにリミックスを依頼しました。本人はこれを、ポスト渋谷系の走りだったかもしれないと振り返っています。この人選の話は、大辞典のリミックス のページで詳しく紹介しています。
サントラのライナーノーツでは、音楽のテーマを「チップ、キュート、ポップ」としたことが紹介されています。聴いてうきうきする音を狙った、ということです。
MONACA へ、そして広がった活躍
2005年、神前さんはナムコを離れ、ナムコ時代の同僚である岡部啓一さんが設立した MONACA に移りました。より幅広い分野で活動したいという理由が紹介されています。
その後は、『涼宮ハルヒの憂鬱』で大きく注目され、『らき☆すた』のオープニング「もってけ!セーラーふく」はオリコンで最高2位を記録しました。ほかにも『化物語』『WORKING!!』『アイドルマスター』『Vivy』『薬屋のひとりごと』など、数多くの作品の音楽を手がけています。2020年には、20周年を記念したアルバム『DAWN』も発表されました。
もじぴったんとのつながりは、その後も続きます。『らき☆すた』の第10話と第22話では「ふたりのもじぴったん」が挿入歌として使われました。また、20周年の記念サイトに載ったトラックリストには、「ふたりのもじぴったん(fine c'est la mix)」が DISC 1 の1曲目として名を連ねています。
遠くへ行った作曲者と、変わらない一曲
ゲームの小さなスピーカーから聞こえていた曲が、いつの間にか数多くのアニメやゲームの曲を作る人の出発点の一つになっていた。そう考えると、少し不思議な気持ちになります。
その出発点を、本人は、自分の仕事として世に出た最初の代表作として語っています。私たちが何度も聴いた「ふたりのもじぴったん」には、作曲者にとっても特別な意味があったのです。
久しぶりに聴きたくなったら、曲の一覧 へ。作曲者と並んで曲をつくったもう一人、後藤裕之 さんのページも、あわせてどうぞ。
よくある質問
神前暁の読み方は何ですか?
「こうさき さとる」です。海外の記事などで別の読みが紹介されることがありますが、正しい読みは「こうさき さとる」です。
神前暁はもじぴったんのどの曲を作りましたか?
「ふたりのもじぴったん」「じゅもんをあげるよ」では作曲・編曲を担当しています。「わーずわーずの魔法」「Piacevole!」も神前暁名義で、ゼノサーガ版の「estrellita」「[ai]」「ふたりのぜのぴったん」の作曲も手がけています。
神前暁はなぜナムコを辞めたのですか?
2005年にナムコを離れ、元同僚の岡部啓一が設立した MONACA に移りました。より幅広い分野で活動したいという理由が紹介されています。
神前暁はほかにどんな作品の音楽を作っていますか?
『涼宮ハルヒの憂鬱』『らき☆すた』『化物語』『WORKING!!』『アイドルマスター』『Vivy』『薬屋のひとりごと』などの音楽で知られています。