学校の怪談ブームとハニ太郎|1995年の児童書と映画
休み時間の教室で、怖い話を披露し合った。その同じ棚に、笑える埴輪の本が並んでいた。
このページの要点
- 1990年代、小学生のあいだで学校の怪談や怖い話が流行していた
- ポプラ社の「学校の怪談」シリーズは1991年に刊行が始まり、挿絵に前嶋昭人も参加している
- 『ハニ太郎です。』第1巻は1995年2月発売のギャグ漫画で、レーベル上は「ポプラ社文庫 学校の怪談」に入っていた
- 1995年7月公開の東宝映画『学校の怪談』には、ハニ太郎に由来するとされる埴輪の像が登場する
放課後の教室で語られた「あの話」
1990年代、小学生の間では学校にまつわる怪談や怖い話が大流行していました。友達が仕入れてきた話を、声をひそめて披露し合った人もいるのではないでしょうか。
そんな時代に、図書館や書店の児童書の棚には、怪談の本がずらりと並んでいました。その並びの中に、なぜかギャグ漫画の『ハニ太郎です。』が混ざっていたのです。
こわい話の棚に、ぼくがいるのだ
ポプラ社の「学校の怪談」シリーズ
ポプラ社の「学校の怪談」シリーズ(日本民話の会 学校の怪談編集委員会 編)は、1991年に刊行が始まりました。『先生にあいにくる幽霊』(1991年8月)や『遠足に幽霊がついてきた』(1991年11月)などがあり、挿絵には前嶋昭人も参加しています。前嶋昭人は、『ハニ太郎です。』の作者その人です。
そのシリーズには、手に取りやすい価格の文庫版「学校の怪談文庫」もありました。『ハニ太郎です。』は、この流れのレーベルに入った一冊です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 怪談シリーズの刊行開始 | 1991年(ポプラ社) |
| 『ハニ太郎です。』第1巻 | 1995年2月 |
| レーベル名 | 「ポプラ社文庫 学校の怪談」。「学校の怪談文庫」とも呼ばれる |
| 作者の関わり | 怪談シリーズの挿絵と、『ハニ太郎です。』の作・絵 |
1995年、映画館にも怪談が来た
1995年7月8日、東宝配給の映画『学校の怪談』が公開されました。平山秀幸監督、上映時間は100分で、のちに全4作のシリーズになっています。映画の内容はほぼオリジナルで、常光徹の小説シリーズや日本民話の会のコミック(ポプラ社)とゆるやかにつながる、と紹介する記事もあります。
同じ1995年の6月には、ちくま文庫から大槻教授の『学校の怪談に挑戦する』も出ました。本の棚、映画館、書店の文庫コーナーと、あちこちで学校の怪談が話題になっていた年でした。
この映画には、ハニ太郎に由来するとされる埴輪の像が出てきます。くわしくはハニ太郎の小ネタで紹介しています。ただし、映画に出たことと、本が怪談の文庫に入ったことの間に、どんな事情があったのかは、はっきり言い切れません。同じ時期に起きた出来事、というところまでにしておきます。
同じ棚で出会った人も多いのでは
『ハニ太郎です。』は怖い話ではありません。カレーの容器から出てきたわがままな埴輪が、小学5年生のよしおを振り回す、という笑えるお話です。それでも、怪談の本を探しに行った図書館で、隣にあったこの本を手に取った、という人もいるかもしれません。
怖い本のはずが、笑ってしまった
怖い話を読んだあとに、ハニ太郎で気持ちを落ち着ける。そんな読みかたをした人もいたのでは、と想像するのも楽しいところです。あなたの図書館には、どんな棚の並びがありましたか。
よくある質問
ハニ太郎です。は怖い話の本ですか?
いいえ。第1巻は1995年2月に出たギャグ漫画で、怪談本ではありません。ただしレーベルは「ポプラ社文庫 学校の怪談」で、怪談と同じシリーズ名の中に入っていました。
映画『学校の怪談』にハニ太郎は出ていますか?
1995年公開の東宝映画『学校の怪談』に、埴輪の像として登場します。Wikipedia の記述では、映画の埴輪はハニ太郎に由来するものとされています。