藤代孝治(塚本高史)|薫の毎日を変えたサーファーの青年

明け方の海に向かう背中を、薫は窓から見ていました。孝治という青年は、どんな人だったでしょうか。

なつかしさ ★★★★☆

このページの要点

  • 藤代孝治は、早朝にサーフィンへ通う青年で、薫が窓から見つめていた相手。
  • 演じたのは塚本高史で、薫を横浜のストリートライブへ連れ出し、歌のCD化を提案する役どころ。
  • 孝治の年齢や立場は資料により書き方が分かれ、ドラマ版では19歳の無職と設定が異なる。
  • 塚本高史によれば、出会いの場面は踏切で撮影され、孝治にとって大切な場所だったという。

朝の海へ向かう、あの背中

夜が終わるころ、薫が部屋の窓から見送る少年がいました。ボードを抱えて海へ向かう藤代孝治です。薫にとって孝治は、自分とは別の「朝の世界」に生きる人でした。

孝治風

朝の海は、気持ちいいぞ

映画版の孝治は、薫と同じ学校に通う18歳として紹介されています。一方、高校生とする資料もあり、年齢や立場の書き方は分かれています。いずれにしても、薫と近い世代の少年であることは変わりません。

薫を夜の外へ連れ出した人

出会いは、薫が夜の駅前で歌っているところに、孝治が通りかかったことでした。資料によっては、場所を公園とするものもあります。薫は夢中で孝治を追いかけ、早口で自己紹介します。同じ学校の孝治だと分かったのは、親友の美咲が調べたからです。

その後、深夜に二人は偶然再会します。孝治は夏休みのストリートライブに薫を誘い、約束の日、横浜へ連れて行きます。薫の歌に足を止める人が増え、孝治は薫に惹かれていきます。

あの横浜の場面、覚えてる?

ここで大事なのは、孝治が薫の歌のいちばんの聴き手になることです。美咲から薫の病気のことを聞いたあと、孝治は歌のCD化を提案します。恋人としてだけでなく、薫の歌の背中を押す存在になるのです。

胸がキュンとする場面たち

レビューでよく挙がる場面を整理すると、孝治の優しさがよく見えてきます。

  • バイクのヘルメットを薫にかぶせる場面は、胸がキュンとしたという感想が多い
  • 頬をつねって変な顔になったあと、コミカルな流れでキスシーンへ入る
  • 初対面で薫に突き飛ばされる、少し笑える出会い

派手な言葉を並べるタイプではなく、さりげない優しさで薫を支える。レビューでも「安定感がある」と評されています。

⚠ 終盤の孝治について(結末に触れます)

薫の病状が進むなか、孝治は変わらない気持ちを伝え続けます。終盤、孝治は防護服を着て、昼の海でサーフィンをします。太陽の下の海を薫に見せたいという思いがにじむ場面です。それを見に来た薫は、「死ぬまで生きる」という趣旨のことを力強く語ります。

塚本高史が語った撮影の裏側

孝治を演じた塚本高史さんのインタビューには、撮影の空気が伝わる話があります。

  • 出会いの場面で、YUIさんが本気で突き飛ばしてきた。リハーサルでも同じ力だった
  • 塚本さんは現場を楽しむことを意識し、冗談で緊張をほぐそうとした
  • バス停近くの踏切は、孝治が毎日そこにいて、薫が見ていた場所。二人が出会い分かり合う大切な場所で、キスの場面もそこで撮った

塚本さんは、YUIさんを「路上ライブをしていた地元のミュージシャン」という印象で見ていたとも語っています。踏切の場所については ロケ地のページ で、巡礼のマナーとあわせて紹介します。

ドラマ版の孝治とは別人物

2006年のTBS系ドラマ版では、孝治は19歳の無職という設定です。映画版との違いのひとつで、映画では美咲が孝治に薫の病気を伝える展開があります。ドラマ版との区別は ドラマ版・リメイク版との違い にまとめました。

孝治を思い出すと、浮かぶもの

波の音、朝の光、ヘルメット越しの距離。孝治の場面は、いつも夜と朝の境目にありました。あなたが覚えている孝治の場面は、どこでしょうか。薫の側から見た話は 雨音薫のページ もどうぞ。

孝治の「やさしさ」を整理してみる

孝治が好きだった、という方は多いはずです。何がそんなに印象に残ったのかを、場面ごとにたどってみます。

  • 誘う。 深夜の偶然の再会で、夏休みのストリートライブに薫を誘います。自分の世界の外へ連れ出す、はじめの一歩です
  • 聴く。 横浜で薫の歌に人々が足を止めるのを見て、孝治は惹かれていきます。薫の歌を、いちばん近くで受け止めた人でした
  • 気持ちを伝える。 帰り道の海辺で孝治が想いを伝え、薫も応えます。けれど日の出に気づかず、薫は何も言わずに走り去ってしまいます
  • 変わらない。 病気を知ったあとも、孝治は気持ちが変わらないことを伝え、歌のCD化を提案します

恋愛映画としてだけでなく、「誰かの才能を信じる人の話」としても観られるのが、孝治という人物の魅力かもしれません。

当時、孝治にときめいたあなたへ

公開当時に観た世代にとって、塚本高史さんは親しみのある存在だったのではないでしょうか。海辺の町で、バイクと波とボードの似合う青年。観終わったあと、ヘルメットを借りてみたくなった人もいるかもしれません。

もし久しぶりに観直すなら、孝治の目線で薫を見てみるのもおすすめです。歌う薫を見つめる表情に、気づくことがあるはずです。ロケ地 を歩く前に予習するのにもぴったりです。

よくある質問

藤代孝治を演じた俳優は誰ですか?

塚本高史です。YUI演じる雨音薫の相手役にあたります。

孝治は高校生ですか?

映画版では薫と同じ学校に通う18歳と紹介する資料があり、高校生とする資料もあります。ドラマ版の孝治は19歳の無職という別の設定です。

孝治と薫はどこで出会いますか?

夜の駅前で路上ライブをする薫の前を孝治が通りかかります。場所を公園とする資料もあり、書き方は分かれています。

参考にした情報