YUIと『タイヨウのうた』|デビューから映画主演まで

歌い手として歩み始めたばかりのYUIが、映画の主役に選ばれた。あの夏の背景をたどります。

なつかしさ ★★★★☆

このページの要点

  • YUIは福岡県古賀市出身で、2004年にソニーミュージックと契約し、2005年にメジャーデビューシングル「Feel My Soul」を発売した。
  • 『タイヨウのうた』は演技初挑戦かつ初主演の作品で、ブレイクのきっかけになったとされる。
  • 2006年、この作品で第30回日本アカデミー賞新人俳優賞と、第11回日本インターネット映画大賞新人賞を受賞した。
  • 横浜・桜木町の路上ライブは劇中の設定で、YUI本人の路上演奏は福岡・天神駅とされている。

ギターを抱えた新人が、主役になった夏

『タイヨウのうた』の薫を、YUIそのものだと感じた人は多いはずです。ギターを抱え、少し照れたように笑う。その姿が、当時の彼女の印象と重なっていました。

けれど実際には、YUIは歌手として歩き始めたばかり。演技は初めてで、映画の主役という大役にたどり着いた経緯には、いくつかの偶然と決断が重なっていました。

ファン風

あの薫が、演技初めてだったなんて信じられなかったよね

福岡からメジャーデビューまで

YUIは1987年3月26日生まれ、福岡県古賀市の出身です。高校時代にアルバイトと作曲を始め、福岡の音楽学校でギターと作曲を学びました。福岡・天神駅で路上演奏をしていたことも知られています。

  • ソニーミュージックのオーディションで注目を集め、ソニー・ミュージックレコーズと契約
  • インディーズ盤「It's happy line」を2,000枚限定で発売
  • メジャー1stシングル「Feel My Soul」を発売
  • 『タイヨウのうた』で演技初挑戦、初主演

インディーズ時代の「It's happy line」は、映画の挿入歌として再録されました。デビューのころの曲が、数年後に映画の中で響く。そう思うと、感慨深い巡り合わせです。

主役に選ばれた理由

映画は当初、1993年の香港映画『つきせぬ想い』のリメイク企画だったとされます。主人公がミュージシャンという設定のため、配役は難航しました。そこで、ブレイクの兆しを見せていたYUIが抜擢された、と伝えられています。

共演の塚本高史は、YUIを路上ライブをしていた地元のミュージシャンという印象で見ていた、と語っています。作中の「歌う少女」像は、そのまま彼女の持ち味と結びついていました。

横浜の路上ライブは「劇中の設定」

ここは混同しやすい点です。映画では、孝治が薫を横浜へ連れて行く展開があります。路上ライブの場面は物語上の設定で、YUI本人が横浜・桜木町で活動していたという話ではありません。YUI本人の路上演奏は、福岡・天神駅とされています。

また、「Last Song」という名前の曲が映画にあるわけでもありません。映画の主題歌と挿入歌は、「Good-bye days」とは にまとめた3曲です。

新人俳優賞と、その後

この作品でYUIは、第30回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞しました。第11回日本インターネット映画大賞でも新人賞です。映画の成功がブレイクのきっかけになった、と言われています。公開当時の評価は 公開当時の評価・興行・受賞 でも読めます。

その後のYUIは、ソロ活動に加え、バンドFLOWER FLOWERでも活動しました。2021年にはデビュー15周年のセルフカバーミニアルバム『NATURAL』が出ています。

本人が語る『タイヨウのうた』

2018年前後の取材で、YUIはこの映画を、当時の自分があったから今の自分があると思わせてくれる作品だと語っています。また、映画の影響で「YUIはこんな人」というイメージが広がったことへの戸惑いが、のちの曲づくりにつながった、という趣旨の発言も紹介されています。

撮影の裏話も残っています。監督と衝突して撮影所を飛び出したこと、全力疾走のシーンが「速すぎる」と指摘されたことなどです。初めての現場で必死だった様子が、画面の薫のひたむきさと重なります。

共演者が語る、YUIの印象

2010年7月放送の音楽番組では、YUIと塚本高史が対談しました。撮影後はしばらく連絡がなく、再会はぎこちなかったと語られています。若い2人が、短い撮影期間を全力で駆け抜けた様子がうかがえます。

塚本高史は取材で、踏切が出会いの重要なロケ場所だったことや、走るシーンで鼓動が高鳴ったことも話しています。作品の出会いの場面を思い出しながら読むと、味わいが増します。

映画のあとの10年

2018年のハリウッド版『ミッドナイト・サン』公開のころには、オリジナル版が再び注目されました。映画から10年以上たって、あの夏を思い出す人が増えたのです。

今、読み返してみて

大きな舞台に立つ前の新人が、等身大の少女を演じる。映画の初々しさには、その背景が溶け込んでいました。もう一度本編を観るとき、薫の歌声を「新人のYUIが歌っている」と思いながら聴くと、また違って感じられるかもしれません。

薫の人物像は 雨音薫(YUI) のページへ。音楽全体の案内は 主題歌・音楽ガイド にあります。

よくある質問

YUIは『タイヨウのうた』で初めて映画に出たのですか?

はい。演技は初挑戦で、映画初出演にして初主演でした。

YUIは『タイヨウのうた』でどんな賞を取りましたか?

第30回日本アカデミー賞の新人俳優賞と、第11回日本インターネット映画大賞の新人賞を受賞しています。

映画の路上ライブはYUI本人の経験ですか?

横浜での路上ライブは劇中の設定です。YUI本人は福岡の天神駅で路上演奏をしていたとされています。

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