タイヨウのうた 興行収入と評価|公開当時の受賞と反響
大作ではないのに、気づけば語られていた。『タイヨウのうた』は、公開当時どう迎えられたのでしょうか。
なつかしさ ★★★★☆
このページの要点
- 興行収入は10.5億円とされ、中規模公開作としては異例のヒットと紹介されている(11億円とする記述もある)
- YUIは第30回日本アカデミー賞 新人俳優賞と、第11回日本インターネット映画大賞 新人賞を受賞した
- 観客の感想では、歌のシーンと初々しさ、爽やかな後味への好意的な声が目立つ一方、大きな山場を求める声もあった
- 2018年のハリウッド版公開をきっかけに、オリジナルが再び注目された
10億円級のスマッシュヒット
2006年6月17日、『タイヨウのうた』は松竹の配給で公開されました。上映時間は119分。主演のYUIさんは映画初出演で、小泉徳宏監督にとっても初の監督作でした。
興行収入は10.5億円とされ、MovieWalker Press は「スマッシュヒット」と紹介しています。Wikipedia も、中規模公開作としては異例のヒットと記しています。ただ、資料によっては11億円と書かれていて、数字には幅があります。観客動員数や公開館数の数字は、ここでは載せません。
歌って、ちゃんと誰かに届くんだね
新人賞に輝いたのは、初出演のYUIさん
作品に与えられた賞のうち、はっきり紹介されているのは主演のYUIさんの受賞です。
| 賞 | 受賞内容 |
|---|---|
| 第30回日本アカデミー賞(2007年) | 新人俳優賞(YUI) |
| 第11回日本インターネット映画大賞 | 新人賞(YUI) |
ミュージシャンの役という設定でキャスティングは難航し、ブレイクの兆しがあったYUIさんが抜擢されたとされています。初めての演技で、歌手としての顔と俳優としての顔が一本の映画に重なったことが、新人賞につながったのかもしれません。
観客はどこに心を動かされたのか
公開直後から後年まで寄せられたレビューを読むと、よく出てくる感想がいくつかあります。数が限られるので断定はできませんが、傾向としては次のとおりです。
- 病気が題材でも、爽やかなラブストーリーとして観られた
- 歌のシーンで鳥肌が立った、という声
- 相手役の健気さ、ひたむきさへの共感
- 父親役の演技や、ところどころの笑いが心に残った
- 若い頃の純粋な気持ちを思い出した
- 好きな人とも、家族とも観られる
評価が分かれたところ
主演の演技は「映画初出演とは思えない」という声と、「拙い」と感じる声が併存しました。後者も、初々しさとして受け入れる人が多かったようです。
また、「どんでん返しのような驚きがほしい」「大きな山場がない」という不満もありました。派手に盛り上がる作品ではなく、観たあとにじわじわ温かくなる作風だったことの裏返しともいえます。実在の難病を扱う点については、病気が実際にあることへの悲しみを語る感想もありました。病気の背景は 色素性乾皮症のページ で整理しています。
初出演と初監督、二つの「初めて」
この映画には「初めて」が重なっています。YUIさんは初の映画出演、小泉監督は初の監督作品。ソニー・ミュージックレコーズにとっても、映画への初めての出資だったとされています。
もともとは1993年の香港映画『つきせぬ想い』のリメイク企画でしたが、古い作品をそのまま映画にしても今の時代に合わないと考えられ、坂東賢治さんによるオリジナルの脚本になりました。音楽を前面に出した作品だったことが、歌のシーンへの感想の多さにも表れているのかもしれません。
試写会から始まった広がり
公開前の試写会では、上映後にYUIさんがライブパフォーマンスを披露したと伝えられています。映画を観た直後に、その主人公の歌声を目の前で聴く。観客にとっては忘れがたい体験だったでしょう。映画と音楽が同時に広がっていったことが、この作品の特徴でした。
ヒットが広げた「タイヨウのうた」
映画のヒットは、ほかの展開にもつながりました。同じ2006年の7月にはTBS系でテレビドラマ版が始まり、のちに海外でのリメイクも作られています。ただしどれも映画とは別の作品です。違いは ドラマ版・リメイク版との違い に分けて書きました。
2018年のハリウッド版『ミッドナイト・サン』の公開を機に、オリジナルが再び注目されたとも報じられています。同じ年には新宿でのトークイベントにYUIさんと小泉監督が登壇し、YUIさんは、この映画があるから今の自分があると思える作品だと語りました。後年のレビューも投稿されていて、今も観続けられている様子がうかがえます。
今も続く再評価
韓国版リメイクが2025年に作られたことも、オリジナルが長く記憶されている証といえるでしょう。公開から年月がたっても、題名を聞けばすぐ歌が思い浮かぶ。そんな映画は、実はそれほど多くありません。
あの夏、誰と観た?
観た日のことを思い出してみよう
映画館で観たのか、DVDで観たのか。誰と、どんな季節だったか。帰り道に主題歌を口ずさんだ人もいるかもしれません。そんな記憶まで一緒に残る映画は、そう多くありません。
当時の空気を思い出すなら 2006年、あの頃の空気 もあわせてどうぞ。主題歌のヒットについては YUIと『タイヨウのうた』 にまとめています。
よくある質問
タイヨウのうたの興行収入はいくらですか?
10.5億円とされています。資料によっては11億円と書かれていて、数字に幅があります。
タイヨウのうたで受賞した賞は?
YUIさんが第30回日本アカデミー賞の新人俳優賞と、第11回日本インターネット映画大賞の新人賞を受賞しました。
公開当時の評価はどうでしたか?
病気が題材でも爽やかなラブストーリーとして受け止められ、歌のシーンを挙げる感想が多くありました。大きな山場がほしいという声もあり、評価は分かれる面もありました。