タイヨウのうた スタッフ・製作の経緯|監督は小泉徳宏
初監督の小泉徳宏、脚本の坂東賢治、音楽も手がけたYUI。新しい顔ぶれが集まって生まれた一本の裏側をたどります。
なつかしさ ★★★☆☆
このページの要点
- 監督は小泉徳宏で、本作が初監督作品です
- 脚本は坂東賢治、撮影は中山光一、編集は三條知生、音楽はYUIと椎名KAY太です
- 企画は香港映画『つきせぬ想い』(1993)のリメイク権の取得から始まり、のちにオリジナル脚本の作品になったとされています
- ソニーミュージックレコーズが映画に初めて出資した作品とされています
- 2018年のトークショーでは、撮影中のYUIと監督のエピソードが語られました
新しい顔ぶれで作った一本
『タイヨウのうた』を思い出すとき、まず浮かぶのはYUIの歌声かもしれません。けれど、その歌を物語に乗せたのは、初めて長編のメガホンを取った若い監督と、新しい作り手たちでした。
ここでは、エンドクレジットに並んでいた名前と、作品が生まれるまでの流れを整理します。作品そのものの概要は映画『タイヨウのうた』とはにまとめています。
主なスタッフ
| 担当 | 名前 |
|---|---|
| 監督 | 小泉徳宏 |
| 脚本 | 坂東賢治 |
| 製作総指揮 | 迫本淳一 |
| 音楽 | YUI、椎名KAY太 |
| 撮影 | 中山光一 |
| 編集 | 三條知生 |
| 宣伝 | KICCORIT |
小泉徳宏は、本作が初監督作品だったと本人が語っています。原作や脚本のクレジットは資料によって表記が分かれ、脚本・原案を坂東賢治とするものが中心です。物語を小説にした本も別に出ており、それらはCD・サントラ・関連商品の周辺でも触れていきます。
映画の製作には、松竹、スターダストピクチャーズ、ROBOT、ソニーミュージックレコーズ、ジェネオンエンタテインメント、ツイン、日本出版販売、Yahoo! JAPANが関わったと紹介されています。
リメイクの企画から、オリジナルの物語へ
製作の経緯として伝えられているのは、次のような流れです。
- スターダストピクチャーズが、1993年の香港映画『つきせぬ想い』のリメイク権を取得したとされます。
- 古い映画をそのまま作り直しても今の時代に合わないと考え、音楽を前面に出した物語にする方向へ進みました。
- 坂東賢治によるオリジナルの脚本が書かれました。
- 主人公が音楽家という設定のため配役は難航し、ブレイクの兆しを見せていたYUIが抜擢されたとされます。
ソニーミュージックレコーズにとっては、映画への初めての出資だったとも伝えられています。音楽会社が映画づくりの中心に入ったからこそ、劇中の歌が「物語の小道具」ではなく「主役」になれたのかもしれません。
現場で語られた話
2018年5月、新宿ピカデリーでのトークショーにYUIと小泉監督が登壇し、当時の様子が報じられました。
- 撮影中に監督と衝突したYUIが、撮影所から飛び出したことがあった。
- 打ち上げでは、監督が号泣した。
- 撮影開始の合図で監督が噛んでしまい、YUIの全力疾走のシーンについて「速すぎる」と指摘した。
- 小泉監督は初監督作を大変だったと振り返り、YUIは、あの時の自分があったから今の自分があると思わせてくれる映画だと語った。
また、塚本高史とYUIのインタビューでは、二人の出会いの場面でYUIが本番もリハーサルも同じ力で突き飛ばしたこと、塚本さんが冗談で現場の緊張をほぐしていたことが紹介されています。初演技のYUIにとって、現場は手探りの連続だったことが伝わってきます。
初々しさの理由を、もう一度観て探す
初監督と初演技。どちらも「初めて」同士だった映画には、技巧とは違う種類の熱が宿っています。公開当時のレビューでも、拙さを含めて薫に合っているという声が目立ちました。
もう一度観るなら、歌の場面だけでなく、歩く速度や間の取り方にも注目してみてください。撮影の裏話を知ったうえで観る全力疾走は、きっと少し違って見えます。
走るシーン、今観るとあのエピソードを思い出して笑っちゃうんだよね。
音楽が先にあった映画
スタッフ欄でひときわ目を引くのが、音楽のクレジットにYUI自身の名前が並んでいることです。主題歌「Good-bye days」と、挿入歌の「Skyline」「It's happy line」は、いずれもYUIの作詞・作曲として紹介されています。
挿入歌の「It's happy line」は、YUIがインディーズ時代に作っていた曲で、「Good-bye days」のカップリングにも収録されたと伝えられています。演じる人が歌を生み出す人でもあった、という二重構造が、この映画の説得力につながっていました。
劇中の歌がどのように使われたかはYUIと『タイヨウのうた』で、映画と企画の近い関係にあるほかの作品との違いはドラマ版・リメイク版との違いで、それぞれ詳しく見ていきます。
初監督作品を観返す三つのヒント
- 間の取り方 大きな事件が起きない分、台詞と台詞の間や、歩く速度に気持ちが宿っています。
- 歌の場面 どの距離で、どのくらいの長さで歌を見せているかに注目すると、音楽会社が深く関わった作品らしい工夫が見えてきます。
- 走る場面 裏話を知ってから観ると、全力疾走の表情がまた違って見えるはずです。
よくある質問
『タイヨウのうた』の監督は誰ですか?
小泉徳宏です。本作が初監督作品で、脚本は坂東賢治が担当しました。
『タイヨウのうた』は何かのリメイクですか?
企画の出発点は香港映画『つきせぬ想い』のリメイク権の取得とされていますが、完成した映画は音楽を前面に出したオリジナルの物語になったと伝えられています。